原発電力は風力より高い、米試算 太陽光発電と同レベル


東京新聞Web版2014/9/17 18:59

 新設の原発の発電コストは世界的には1キロワット時当たり平均14セント(約15円)で太陽光発電とほぼ同レベル 、陸上風力発電や高効率天然ガス発電の8・2セントに比べてかなり高いとの試算を、エネルギー問題の調査機関として 実績のある米国企業系「ブルームバーグ・ニュー・エナジー・ファイナンス」(BNEF)が16日までにまとめた。
 東京電力福島第1原発事故後の安全規制強化もあって建設費や維持管理にかかる人件費などが世界的に高騰していることが主な理由。 再生可能エネルギーのコストの低下が続く中、原子力の優位性が薄れていることを印象付ける結果となった。 (共同通信)
 BNEFは、米国大手情報サービス企業「ブルームバーグ」の傘下。
 再生エネ 経済優位性増す
 発電コストに関する最新の分析は「コストが安い」という原発の優位性が過去のものとなりつつあることを示している。  近年、規制強化の結果、さまざまな安全対策を求められる原発の建設費は増大傾向にある。欧州の大型原発の建設費は1兆円にもなるとの試算もある。 東京電力福島第1原発事故はこの傾向をさらに加速した。
 これに対し、風力発電や太陽光発電のコストは各国での急拡大を背景に低下している。各国の投資家が原発への巨額の投資に二の足を踏む一方、 建設資金も建設期間も少ない上に事故のリスクも小さい再生可能エネルギー開発に多額の資金が流れ込んでいる。再生可能エネルギーの経済的優位性は今後も高まると予想される。
 日本のエネルギー基本計画は原発を「運転コストが低い」と位置付けているが、事故後の規制強化などを考慮した総合的、長期的なコストの分析は不十分だ。 基本計画の具体化に際しては、エネルギーのコストに関する世界の流れに十分な目配りをする必要がある。
 日本の試算は過小評価
 【大島堅一立命館大教授】 安全対策の強化を迫られることなどによって原発の建設費が膨大になり、発電コストが再生可能エネルギーに 比べて割高になっていることはこれまでにも指摘されており、1キロワット時15円の試算も驚きではない。同8.9円との日本の民主党政権時代の試算は、 2011年より前に建設された原発のデータなどを基にしており、過小評価だ。コスト面で原発の優位性が失われる中、日本では原発推進の ためにさまざまな支援策を導入するよう求める声が電力業界や政府部内に出ているが、自由化が進む電力市場をゆがめるような政策は正しくない。

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